緊急情報
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更新日:2025年9月18日
2025年9月10日
(中野市長コメント)
このたび、2026年度の市政運営の基本方針を策定しました。これは、来年度の市政運営における基本的な方針と、重点化する施策の方向性を総合計画で定める分野ごとに示すものであり、来年度当初予算の基盤となるものです。
来年度は、今年度スタートした10年間を計画期間とする基本計画の2年目の年です。基本計画に定めた政策を引き続き総合的に進めることとし、さまざまな政策分野における個別計画を着実に推進します。
一方、足もとの我が国の社会経済状況を見ると、想定を上回る人口減少・少子化が進行するとともに、米国による関税措置や物価高の継続などにより、地域経済・くらしへの影響について不透明感が増していると考えています。
こうしたことから、特に、産業振興、少子化対策、災害に強いまちづくり、中心市街地や中山間地域の振興などの分野に、重点的かつ部局横断的に取り組むとともに、緊急の課題が生じた場合には、柔軟かつ機動的に対応してまいります。また、新規施策の実施・展開に係る執行体制の強化を図り、全庁を挙げて基本計画を推進していきます。
基本方針の内容について、具体的な取り組みを分野ごとにご説明します。
産業・経済の分野では、インドなどとの経済交流を強化し、地域企業の海外展開や外国人材の受け入れを促進します。また、中心市街地活性化に向けた民間投資などの促進により、まちのにぎわい創出を進めます。
こども・教育分野では、ライフステージに応じた切れ目のない支援により少子化対策を推進します。また、休日部活動の地域展開については、子供たちがスポーツや文化芸術に親しむ機会を確保できるよう、地域の実情などに応じて推進していきます。
安全・安心・快適の分野では、国土強靱化に資する災害に強い道路ネットワーク機能の強化や流域治水に引き続き取り組みます。また、浜松城公園や佐鳴湖公園などの魅力向上に向けた取り組みも実施します。
環境・くらしの分野では、市民の皆さまと一体となって、家庭ごみの減量化、資源化に取り組みます。また、中山間地域における生徒の教育機会の確保や教育環境の整備を進めます。
健康・福祉の分野では、プレコンセプションケアをはじめとする生涯にわたる健康づくりを推進します。また、安心して就学を迎えられるよう5歳児健康診査や地域フォローアップにかかる体制を整備します。
文化・スポーツの分野では、年齢、性別、国籍、障がいの有無などを問わず、市民の皆さまが多様なスポーツに触れる機会の創出に取り組みます。また、アクトシティ浜松、美術館などの文化芸術施設などの改修、更新を計画的に実施します。
地方自治の分野では、公共施設等総合管理計画に基づき、部局を横断した公共施設の見直しや統廃合・複合化を検討します。
今後、基本方針に基づいて予算編成を行い、議会における当初予算の審議・議決を経て、2026年度事業の実施計画を策定してまいります。
このたび、令和8年度予算の編成方針を各部区局長あてに通知しました。
編成方針では、財政見通し、予算編成の考え方、予算編成方法、予算要求における留意事項を示しています。
本市財政の状況は、ストックに関する財政指標で見ると、他の政令指定都市と比べて良好ですが、少子高齢化や保育・子育て環境の向上などに伴う社会保障施策関連経費は年々増大しており、大きな課題となっています。
また、小・中学校やアクトシティ浜松などの大規模な公共建築物の整備更新、道路・橋梁などの長寿命化や適正な維持管理、災害への対策に加え、物価高騰による内部管理経費の増加などに対応する必要があります。
こうしたことから、令和8年度予算編成は、各政策・事業の効果検証と再構築を徹底し、限られた財源を最大限有効に活用することで、適正な債務管理と必要な投資を両立した、しなやかな財政運営を行い、中長期的展望に立って、さまざまな政策を総合的に進めることができるよう予算を編成してまいります。
本市では、これまで世界最大規模の自治体連合組織であるUCLGのネットワークを積極的に活用し、海外諸都市との関係構築を図り、都市外交を推進してきました。
このたび、10月21日(火曜日)の午後、グランドホテル浜松において、UCLG ASPACとの共催により、「都市間連携フォーラム2025浜松」を開催します。
会議には、同じくUCLG ASPACのメンバーであり、本市の友好交流都市である台湾・台北市から、張副市長が参加し、UCLG ASPACのベルナディア事務局長とともに都市間連携を通じた関係強化について議論を深めます。
また、遠州鉄道、天竜浜名湖鉄道と観光交流を推進するために友好協定を締結している台北メトロ関係者も参加予定であり、行政間に加え、民間交流の発展についても取り組みを紹介しながら継続的な活動を促進する機会としていきたいと考えています。
今後も海外諸都市との交流や連携を一過性のものとすることなく、戦略的に都市外交を推進していくため、ぜひ多くの皆さまにフォーラムへご参加いただき、いろいろ学んでいただく機会になればと思っています。
このたび、「浜松市子育て応援宣言事業所」認定制度の募集を開始します。
本市では、これまでも市内事業所の子育て支援や働き方改革の推進に取り組んできたところですが、少子化が一層進む中、子育て世代が安心して働ける職場環境づくりがますます重要になってきています。
そこで、「子育て」をテーマとした模範的・先進的な取り組みを実施している事業所を新たに市が認定し、広く紹介をすることで、子育て世代が安心して働ける職場環境を市内全体に広げていくことを目指して、この認定制度を創設しました。
認定された事業所は、市の広報媒体などを通じて積極的に紹介し、事業所のイメージアップや人材確保につなげていただきたいと考えています。
さらに、認定事業所の中で特に優れた取り組みを行っている事業所については、今年度実施予定の「子育て世代活躍企業コンテスト」にて表彰します。これは、先進的な事例を紹介し、多くの企業に横展開することで、地域全体の取り組みを加速させていくことを狙いとしています。
本市は「子育てを応援するまち」を目指し、市内の事業所と連携して取り組みを進めてまいります。ぜひ多くの事業所にご応募いただきたいと思います。
浜松は徳川家康公ゆかりの地ですが、徳川家康公は近世囲碁の発展、振興に大きく貢献をしたといわれています。「家康公ゆかりの地」の取り組みを進めている本市では、天竜川・浜名湖地域12市町村合併20周年を記念して、囲碁の七大タイトル戦の一つである天元戦を誘致し、第51期天元戦五番勝負第1局を浜松城近くの浜松市茶室 松韻亭で開催します。対局の開催日時は、令和7年10月4日(土曜日)の午前9時から、対局者は一力遼 天元と、志田達哉 八段です。
また、前日には、家康公ゆかりの地である浜松城で、私が一力天元と志田八段のお出迎えを行います。このほか、プロ棋士の解説者と聞き手が対局の模様を解説する大盤解説会、徳川家康公の研究者である静岡大学名誉教授の本多隆成先生にご講演をいただく囲碁講演会を開催します。
「家康公と囲碁」を新たな切り口として、「家康公ゆかりの地」としての認知度の強化を図るとともに、継続した交流人口の拡大を目指してまいります。
「家康公ゆかりの地 浜松」としての認知度を高め、都市ブランドの確立を目指すとともに、継続した誘客を図る目的で、今年も「出世の街 浜松 家康公祭り 2025」を開催します。
今年度は、旧元城小学校跡地の葵広場でのイベントを11月22日(土曜日)と23日(日曜日)の2日間実施します。
このイベントにおいては、名古屋市や岡崎市、日光市といった徳川家ゆかりの地の自治体ブースを設置するほか、ステージでは浜松徳川武将隊による演舞やタレントの松村邦洋さんによるトークショーを実施し、德川宗家第19代当主德川家広さんもご来場される予定です。
また、今年は22日(土曜日)に、来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で石川数正を演じる迫田孝也さんと丹羽長秀を演じる池田鉄洋さんにお越しいただき、ステージトークを開催します。
イベントに先立ち、11月16日(日曜日)には、小和田泰恒先生による井伊谷での歴史講演会とまち歩きも開催します。これらを通じて、「出世の街 浜松 家康公祭り」の魅力を堪能していただきたいと思っています。ぜひ、多くの皆さまにお越しいただきたいと思います。
本市はウエルネスシティの実現を目指し、官民一体でウエルネスプロジェクトを推進しています。今回その一環として、「ウエルネスアップ!健康フェスティバル2025」を10月4日(土曜日)、5日(日曜日)の2日間にわたって開催します。
本イベントは、市の行政関連ブースや浜松ウエルネス推進協議会に参画いただいている企業・団体によるブース出展のほか、施設をご提供いただくイオンリテール株式会社から、シニアケア事業「MySCUE(マイスキュー)」の関連ブースも本市に初出展します。
浜松市公式ヘルスケアアプリ「はままつ健幸クラブ」の紹介とダウンロード支援や、景品が当たる抽選会付きスタンプラリーもあり、施設全体を巡って、幅広い年代の方々に1日中お楽しみいただける内容となっています。
併せて、イベント初日の4日午後には、ウエルネスの取り組みの推進と連携強化を目的とした、市とイオングループ5社による協定締結式を行います。
また、5月中旬から6月中旬にかけて募集したウエルネスプロジェクト認定ロゴマークの応募作品から選ばれた最優秀賞1作品と優秀賞2作品の表彰式も実施します。
どなたでも気軽にご参加いただける、“健康の秋”にふさわしい体験型のイベントとなっています。イベントを通じて、健康に関する最新情報や正しい運動方法など知っていただく機会にしていただきたいと思いますので、ぜひ多くの皆さまのご来場をお待ちしております。
記者:基本計画がスタートしてまだ半年くらいですが、2年目に向けてチューニングが必要だと思われるような部分があるのか、ここにはもっと力を入れたいと考えるものがあるのかを教えてください。また、他の都市よりは健全財政ということですが、そうは言っても財政が余裕ではない前提で、予算編成で各部局に対する指示はどういったメッセージを伝えたのかを教えてください。
市長:まず基本方針について、本市は10カ年計画である基本計画が今年スタートしたばかりですので、10年をかけて、腰を据えて取り組まなければいけない課題がたくさんあります。まず来年度において着実に進めていくことは必要だと思っています。ただ、昨年に基本計画を策定して、今年スタートしたばかりの計画ですが、前提となる条件で、変化・動きが出てきているところもあります。具体的に言えば、基本計画は「浜松から地方創生を進める」ということで人口減少社会からの脱却を主眼に策定していますが、その1番ポイントとなる少子化問題が、昨年の数値が出てきて、より一層深刻な状況になってきている、想定していたよりもさらに悪い状況になってきているのは、大きな変化だと思っています。先ほど少し触れましたけれども、トランプ関税をはじめとする世界の景気経済の動向が及ぼす影響も想定していたものと若干違ってきているような分野もあります。この10カ年計画を着実に進めることと併せて、足元の状況の変化を的確に捉えて必要な政策を打ち出すということで、今回この基本方針を組み立てていくことになります。それを踏まえて、来年度の予算編成を進めていくための予算編成方針ですが、ご指摘いただいたとおり、ストック指標で見れば政令指定都市比較では良好な状況にはありますけれども、一方で社会保障関係経費の圧力は、これからどんどん大きくなっていくこともあって、決して楽観できる財政状況ではないと思っています。長い目で見れば、歳入の基幹である税源をいかに確保していくかということで、税源涵養はとりもなおさず人口減少を食い止めること、地域経済産業を活性化することにもつながりますけれども、そういった長い目で見たときの財源確保に向けて「今手を打つべきことをしっかりと」というようなことも申し上げましたし、市の行政に協力していただける協力者・仲間を作っていくことも重要だと思っています。ふるさと納税や企業版ふるさと納税など、今の堅調な企業業績を考えると、本市の取り組みを発信することで、「そういった取り組みだったらぜひ協力をしたい」と思っていただける企業もあるのではないかと思っています。そういったことも含めて、ふるさと納税をはじめとする財源の確保、また当然のことながら、さまざまな国の政策をしっかり分析をしながら、国のさまざまな財源支援策もうまく取り込みながら、市がやりたいことを実現するための知恵を働かせるよう、今回の予算編成にあたって指示をしたところです。
記者:「少子化について昨年の数値が出て、想定より悪い状況だ」という部分について、具体的に教えていただけますか。
市長:全国の数字で、出生数が70万人を割っています。私が知る限り、しばらく前まで、年間100万人の子供が誕生していたと思いますけれども、これで一気に70万人を割り込むところまで少子化が急激に進行しているのは、本市が基本計画を作ったときよりもさらに状況が悪化しているのだろうと思っているところです。
記者:トランプ関税をはじめ世界の景気、経済の状況が想定と違ってきているということですが、こちらについても具体的に教えてください。
市長:9月補正予算の説明の時にも申し上げましたけれども、年度替わりの頃からトランプ関税という新しい課題が生じてきて、「ものづくりのまち浜松」としても、マーケットとしてのアメリカが非常に厳しい状況になってきた中で、新たな販路開拓や、トランプ関税という今までなかったものがかかったとしても競争力を維持できるよう生産性を上げていくこと、一般論としての生産性向上、海外のさまざまなマーケット開拓などは市としてこれまでもやってきましたけれども、より一層喫緊の課題としてやらなければいけない状況になってきていますので、加速化することも必要になってくると思っているところです。
記者:ふるさと納税について、「堅調な企業の業績を踏まえるともっと協力してくれるところがあるだろう」というお話でしたが、イメージとしては、今まだふるさと納税に参加してないところに参加を呼びかけるということでしょうか。
市長:市の取り組みに対して、定期的にふるさと納税でご寄付をいただいている企業もたくさんありますけれども、「浜松はこんな面白いことをやっている」ということをまだまだ知られてないがために、財源的な協力を得られていない部分もあると思っています。企業版ふるさと納税は、浜松に本社所在の企業は納税できませんので、東京や名古屋、大阪などに所在の企業の皆さまに協力していただくことが前提になりますけれども、まずは浜松とゆかりがある、ご縁があるような企業に浜松の取り組みをお知らせして協力を仰ぐことから始めて、いずれはそれ以外のできるだけ多くの企業の皆さまにも「浜松の取り組みは面白いから、ぜひ応援したい」と言っていただけるような環境をつくっていけたらと思っているところです。企業が黒字で利益を出して、法人税を納めている状況でないと、企業版ふるさと納税は使えない仕組みでもあるので、まさに今全国的に見て、良い業績を上げている企業が多数出てきているこのタイミングこそ、積極的にやるべき時だと思っています。
記者:市長が自分で予算を組んで執行する集大成の年になろうかと思いますが、個別の取り組みを挙げていただいていますけれども、一番思い入れがあるものや、これだけはという強い思いがあるものがありましたら教えてください。
市長:「浜松から地方創生」ということで、まち・ひと・しごとの創生を全体的、総合的に進めていくことが、今最大の課題である人口減少に打ち勝つ唯一の方法であるという思いで取り組んできましたので、「これだけに注力する」というものではないのですが、そうはいっても、まち・ひと・しごとの創生を考えたときに、まだまだ伸びしろがある産業の活性化を進めること、ひとの創生では、とりわけ子供・子育てを地域社会全体として支えることで、「子育てをするなら、子供を産み育てるなら浜松」と言っていただけるような環境をつくっていくこと、そして、まちの創生では、いずれ来る南海トラフ地震があっても、犠牲者を出さないような安全・安心なまちをつくること、加えて、この街で暮らしてよかったと思えるような、魅力あふれるまちをつくっていくことを、とりわけ重点的にやらなければいけない分野だと思って進めてきたところですので、特に重点化するところは、そういう思いからきているとお考えいただければと思います。
記者:企業版ふるさと納税について、「まずは知ってもらって」という言葉がありましたが、企業のイメージアップにつながる事業や共感を得られやすい事業などを前提に検討するというところを具体的に教えていただきたいのと、10億円以上の施設整備についてはより積極的に活用を検討するということですが、アクトシティ浜松などの改修との整合性はあるのかを含めて教えてください。
市長:現時点で企業版ふるさと納税を財源として最初から事業を組むことは想定していませんが、想像力や知恵を働かせて、「これからやろうとしている事業も、もしかしたらこういった企業は応援してくれるのではないか」ということを事業を組む担当者の発想として常に持っておけば、上手く協力を得られることにつながってくる可能性は高いと思っていますし、逆に企業の皆さまであればどういった事業が乗りやすいのかということも念頭に置いて、今やらなければいけない仕事の組み立てを乗ってきていただきやすいような形に組み替えることも十分あり得るでしょうし、そこは知恵や普段からの企業の皆さまとの意見交換・連携、また職員の事業執行だけでなく、多くの皆さまを巻き込んで事業を行う点での感性も求められるようになるのかなと思っています。もちろんそれだけが唯一の財源ではありませんが、いずれにしても、多くの皆さまのご協力をいただきながら、市としてもさまざまな事業を展開するにあたってのご協力を仰いでいけたらと思っているところです。そして、大規模な事業、とりわけ10億円以上の施設整備事業での活用ということでも、これまでも施設整備・運営にあたってはネーミングライツという形でご協力をいただいている事例もありますけれども、これから施設の大規模改修や新たな施設の整備が次々出てきます。それにあたって、出来上がったものについてのネーミングライツのような支援だけでなく、整備の段階からどういった形で関わっていただけるのか、ご協力いただけるのかも含めて、積極的に検討をしていく必要があると思っていまして、その一環として、今回企業版ふるさと納税の施設設備への活用についても、検討材料とさせていただいています。
記者:自民党の総裁選が始まります。新政権の樹立にもつながっていくかと思いますけれども、地方自治体・基礎自治体を預かる立場から、どのような論戦およびどのような新政権を期待するか教えてください。
市長:7月の参議院議員選挙でもって政権与党が過半数を割ったということで、衆議院・参議院を通じて少数与党となっていますけれども、今我が国の置かれている状況・環境を考えると、速やかにさまざまな政策・対策を打ち出すべき分野もたくさんあるのだろうと思っています。そういうことから考えると、多くの政党の理解・協力を仰ぎながら、スピーディーに我が国の置かれている状況への対応・対策を次々打ち出していただけるような体制や仕組みを一日も早く築き上げていただく方向で、次の総裁の選出に向けて、議論いただきたいと思っているところです。
記者:政令指定都市における人口10万人あたりの人身交通事故件数ワーストワンを16年連続更新してしまいましたが、その受け止めと今後の対応について教えてください。
市長:今回、昨年1年間の人口10万人当たりの人身交通事故件数が出まして、結果として、政令指定都市20市の中で引き続き本市がワーストということで、16年連続という大変不名誉な結果となり、大変遺憾に思っているところです。件数自体は着実に減少してきていて、ここ10年間で見ると、ほぼ半減していますけれども、ただ全国的にも各都市の努力によって件数が減ってきていることもあり、相対的には本市が一番悪い状況が続いてしまっています。私が市長に就任してから、ソフト・ハードの両面にわたって、さまざまな対策を行ってきましたけれども、その効果が出てきているのは間違いないだろうとは思っていますが、残念ながら昨年度ということでいいますと、小学生が犠牲となる死亡事故が2度も発生してしまいました。まだまだやらなければいけないことが多いのだろうと思っています。こればかりは行政が対策を万全にすれば、それだけで事故が減るものでもないので、市としてもやれる対策、とりわけ「ゾーン30プラス」のような物理的な対策は、できるだけ全市域の危険な箇所に広げていきたいと思っていますし、それでだけはなく、道路の路面標示をはっきりさせる、交通事故が発生予測される箇所をマップに表示して、広く市民の皆さまに見ていただいて、注意していただくことなどを進めていますけれども、何よりも市民の皆さまの「事故を起こさない」という思いや意識も大変重要だと思っていますので、これからも引き続き交通事故を1件でも減らしていく、究極的には「交通事故のない社会をつくる」という思いで、これからも対策をしっかり行っていきたいと思っています。
記者:事故件数自体は着実に減ってきている一方で、相対的にはワーストワンという不名誉な結果ということで、「件数が減っている」という絶対値と、「ワーストワン」という相対値のどちらをどう捉えれば、現実をきちんと把握できるのでしょうか。
市長:おそらく事故件数の減り方だけ見ていただければ、「浜松市も一定の仕事はやっている」と言っていただけるのかなとは思っています。ただ、やはり交通事故は究極的には0を目指すものだと思っていますので、そういったことを考えて、何を指標に捉えて交通事故を減らす取り組み、また市民の皆さまに訴えていく取り組みを進めるかと言ったら、まず政令指定都市最下位を脱出する。その上で、究極的には交通事故0の社会を目指すというステップだろうと思っています。
記者:0を目指すにあたって、「ワーストワン」という不名誉な記録が続いていますけれども、「ワーストワン」は、メッセージとして「気をつけなきゃ」と市民に思ってもらう効果が強いのでしょうか。
市長:交通事故4800件と言ったときに、4800件をイメージできる方がどのくらいいらっしゃるのか。それよりも「20政令市の中で最悪です」と言う方が、市民の皆さまには伝わるのかなという気はします。ただ、ワーストワンを脱却するのは、実は極めて高いハードルであり、今年の数字でいいますと、最下位を脱出しようと思うと、1000件くらい交通事故を減らす必要があります。今4800件くらいで、1000件減らすのは並大抵の努力ではないですが、できるだけ多くの市民の皆さまに、一人一人が意識を持ってもらって、交通事故を起こさないよう取り組んでいただくためには、まずは「ワーストワン脱却」といったフレーズで呼びかけていくのかなと思っています。
記者:私は転勤族で、浜松に来て運転をしていて、そこまで浜松の運転が荒いという印象は受けないですけれども、ワースト上位を見ると浜松市と静岡市が1位・2位ですが、なぜ浜松はこんなに交通事故が多いのでしょうか。
市長:よく地域外の方からは、「信号機のない横断歩道を渡ろうと思って待っていると、浜松だと必ず止まってくれる。浜松の人って優しいよね。」と言っていただきますが、実際は非常に多くの交通事故が起こっていまして、このギャップがどこにあるのかは、一度しっかり分析をしなければいけないと思っています。ただ、国道1号をはじめとする外から来た人だけが必ずしも事故を起こしているわけでもなく、地元の方が事故を起こしていることもありますし、元々浜松は自動車社会ということで、どこへ行くにも自動車を使っているので、交通事故件数の増加につながってきているのではないかと言われています。これを根本的に改めるために地下鉄を作る話になると、これまた膨大な投資が必要となってきますし、今の都市構造を前提としつつも、事故件数を減らしていくにはどうしたらいいのかを、さらにこれから考えていかなければいけないと思っています。
記者:対策会議などでいろいろなお話もされていると思いますけれども、ギャップをしっかりと分析するということで、交通政策の専門家の先生方などに依頼をするなりして、今まで取り組みされたことはあるのでしょうか。原因が分かると対策も打ちやすいと思うのですが。
土木部長:みちづくり計画を作成する際に意見を聞いたり、交通事故の分析も出会い頭と追突の事故が多いなど、原因に対する対策もしっかりと行ったりして、事故の減少に努めています。
記者:他の都市と比べての特性を分析されたことはあるのでしょうか。
土木部長:他の地域と集まる会議などで、他の地域ではどのようなことをやっているのかを聞いた上で、しっかりと勉強していきたいと思います。
市長:都市間比較で、なぜ浜松で事故が多いのかを分析していただける専門家が、私もすぐにぱっと思い浮かばないのですが、そういうことをご専門にされている方や、むしろ損害保険会社がそういったことに長けているのかもしれませんけれども、根本的なところの分析・アドバイスをいただける方がいらっしゃるようであれば、これからご意見を伺っていきたいと思います。
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